本日の内容は「IBMの没落」です。
少し前のお話ですが、現在もIBMの構造的な問題は変わっていないと思います。
既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、日本IBMは2000年前後の10年間で売上が2兆円から
9800億円に半減しました。理由は色々あると思いますが、私は2つだと思っています。
1, レノボを始めとしたハードウェア事業からの撤退(売却)
2, ハードウェアカンパニーからサービスカンパニーに変換しようとして事実それを行った。
日本IBMの売上の70%はサービス、30%がハードウェアです。なぜ舵を切ったかと言えば、
サービスの方が利益率が高いからです。ただ、高利益を追求するあまり、日本IBMの
サービスの価格は他の大手SIerの倍以上です。(カラクリは別途紹介します)
それでも買ってくれるお客様だけを相手に商売を続けました。
確かに利益率は飛躍的に上がりました。でもその一方多くのお客様をなくしました。
そうですマーケットシェアを大幅に落としたのです。
景気の後退と共にシェアを失った日本IBMは売上を急速に落として行きました。
全世界で同じことが起こっており、全世界で30000人、日本で3000人のリストラが発表されました。
これからの舵取りが難しいでしょう。
根本的には、システムの導入サービス費用と言うのは、顧客にとってはいらざる費用であり、IBMは
それがマーケットであると判断を誤ったのだと私は思います。
社員の給与水準も全盛期の半額になっている様で、Big Blueは普通の会社になってしまいました。
IT業界の怖さの一例です。