今回は、クラウドと呼ばれる、コンピュータの利用形態についてです。
この利用形態は、最近一般的になってきました。
理由は、アマゾンが提供するAWSと呼ばれるサービスが浸透したからです。
AWSは、所謂コンピュータ屋ではなく、利用者視点のサービス提供と言うコンセプトもあり、急速に浸透し「独り勝ち」の感がありました。
一方では、数年前の大規模障害の問題もあり、安全性やセキュリティー面の脆弱性も露呈しいます。
この障害は、サーバールームの空調の不具合と発表されましたが、データセンターとして使用していたバックアップサーバーの復旧に手間取ったり、○○Payと呼ばれるサービスの大半が止まったりして、社会インフラ(プラットフォーム)として大丈夫か?という疑問を生みました。
コンピュータを所有ではなく、利用すると言う考えはコンピュータ業界の黎明期からあり、地方自治体や一部民間企業で受託計算と言う形で利用されてきました。
その場合、データ処理を月単位等の締め日毎に行ったり、オンラインの場合はNTTの回線を利用したりしてきました。
クラウドサービスの草分け的な存在である、AWSによる定義は以下の通りです。
「クラウドコンピューティング(英: cloud computing)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態である。略してクラウドと呼ばれることも多く、cloud とは英語で「雲」を意味する。クラウドの世界的な普及でオンラインであれば必要な時に必要なサービスを受けられるようになり、あらゆる業務が効率化され、社会の創造性を高めることに成功した。」
この定義での特徴は、アクセスにインターネットなどのコンピュータネットワークを利用する事と利用形態はオンラインに限ると言うことです。
最近ではオンラインによる使用が当たり前になってきていますが、依然として利用形態の大半は一括処理であり、基本的はサーバー貸しや受託計算と言う観点からは、一括処理が出来なくて、安全性に問題があること等から、むしろ利用形態に限りがあり、サービスの質と言う面からは、レベルダウンと言えなくもありません。
日本で、総務省が次世代行政システムの共通基盤(プラットフォーム)としてAWSを採用する事を決めても、その先が一歩も進まない遠因は案外コンピュータ利用の基本的な要件にあるかもしれません。
本日、とあるコンサルタントのSNS投稿で、KyndrylとSAPがクラウド事業推進で関係を深めると言う事実を知りました。
世界最大のプラットフォーマーと世界最大のビジネスアプリケーションの協業が、このマーケットにどのような影響を与えるのか注目したいと思います。
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