今回は、地方自治体の情報システムについてのご紹介です。
私は、アイネスと言う会社で、民間企業のBPOと地方自治体のBPOを経験しています。
センターの大規模汎用機で、復習の地方自治体の住民サービスのアウトソーシング(当時は受託計算)を同時に行っていました。
感覚的には、ほとんど同じ業務を何故別々に契約・開発・運用するのかと言う疑問がありました。
そもそも、自治体が違う、予算系統が違う、場所が違う、規模が違う、等いろいろ違いはありました。
簡単にシステムの内容を説明すると、以下の様になります。
・住民記録
・選挙関連
・成人就学関連
・課税(賦課)計算
・住民税
・固定資産税
・軽自動車税
・国民健康保険
・福祉関連
・収納消込
これらは、各役所により窓口があり、それぞれ対応していますが、中央官庁の所管がバラバラです。それは以下の表をご参照ください。
昨年来のマイナンバーカードや特定給付金の混乱は、根底には住民と直接関係のない、中央官庁の縄張り争いが原因とみることも出来ます。
マイナンバーカードで言うと、総務省が所管で行っている住民記録とつなげる気もなく、今後、デジタル庁が所管すると思われる、マイナンバーを考えなしに追加したのですから、混乱するのは当たり前です。
税務関係は、財務省(国税庁)、個人認証では運転免許証(国家公安委員会)、国民健康保険(厚生労働省)などです。
全体を設計しなおす必要があるのに、利権優先で追加を繰り返し、それを宛にする大手ITベンダーがそれに拍車をかけています。
以下に、日本経済新聞社の解説記事を掲載します。
▼地方自治体の情報システム 地方自治体は住民記録、地方税、福祉など様々な業務を執行している。こうした自治体の主要な業務を処理する情報システムはこれまで各自治体がそれぞれ独自に整備してきた。データ形式や業務手順などシステムの仕様が異なる結果、国と地方、自治体同士が連携するのは難しくなっている。情報をやりとりしたり、全国一律で各自治体がサービスをしたりする場合も迅速に対応できない例がある。独自に発注する結果としてコストも膨大になる。
政府が来年の通常国会に提出を予定する新法では、17の情報システムを指定して5年かけて仕様を統一する。住民基本台帳や各種税、国民年金や児童手当など、自治体が提供する住民サービスの根幹の部分ばかりだ。国で所管するのも総務省や厚労省など4府省にわたり、中央省庁間の協力促進にもつながる。既に住基台帳と国民健康保険は共通化に向けた作業を始めている。
政府の工程表によると、残りの15システムは仕様の統一で見込まれる効果を勘案して優先順位をつける。大規模自治体などの一部を除き、原則2025年度末までに17業務を新システムに移行させる計画を立てている。
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