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あるきっかけで、整形外科のドクターと知り合いました。



腰椎・頸椎の手術にかけては天才と言われる、その世界では有名なドクターです。1000例近い手術をこなし、ヘルニアの手術等は30分くらいで終わらせたそうです。

腕がいいので、だんだん難しい手術が回って来るようになり、難しい手術は全部そのドクターになっていったそうです。


そして、ある日難病で誰も対応できない難しい手術が回って来たそうです。6時間かけて見事成功、手術後手足も動き、ほっとして帰宅したそうです。

その夜中の3時頃、突然病院から呼び出され、行ってみると、動いていた手足が全く動かなくなっていたそうです。それから1週間病院に泊まり込み治療しましたが、遂に手足が動くことはなかったそうです。


患者の家族からは、訴えると言われ努力した結果にも関わらず理解は得られなかったそうです。上司である部長はこのような時こそ、前面に立ってドクターを守るのが仕事のはずです。ところが部長は、執刀医であるドクターに責任を押し付け雲隠れ、天才ドクターは1000例の手術の1例が原因不明で「失敗」したその日から、メスを持つ事ができなくなったそうです。


手術が怖くなったわけではないと思います。何故なら、上手く行った1000例の手術も皆怖かったと言われていましたから。天才ドクターがメスを置いた原因は、何かあった時、病院も上司も守ってくれるどころか、ドクターに責任を押し付け知らぬ顔をした、つまり何も信じられなくなってしまったんだと思います。


あなたの回りはどうですか?形だけの組織ではありませんか?

存在意義のない上司はいませんか?


私はあまりにも多いと思います。そして、強い使命感を持って、難問に取り組んでいくプロフェッショナルが消えて行くのだと思います。

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