今回の投稿は、TOPICSです。
東証指定銘柄ではなく、富士通の社内システムの名称です。
内容は物流システムですが、サブシステムとして以下の機能がありました。
1, 工場・物流拠点の在庫管理
2, 出荷引当管理
3, 物流指示(配車・ピッキング等の伝票管理)
4, 物流管理者による引当変更
4,が通常の物流システムとの違いです。
通常は物流業者にアウトソースするか、自前でも自動で行います。
これは、ただ運ぶのではなく、優先順位を人間が判断するという事です。
判断材料はいろいろありますが、以下が主な物です。
1, 営業の意思
2, 会社としての優先度
3, 事故や災害などの緊急事態
このシステムを運用するためには、営業や工場・物流拠点の緊密な情報連携が必須になると共に、ともすれば会社上層部や営業に集中しがちな権限を物流現場にも委譲するという事です。
会社内の都合や声の大きい営業の言いなりになるという事が必ずしも顧客のためにならないという事でした。
そのために、インフラとして最低限果たさないとならないのが、正確さはもちろんですが、性能です。
生産管理や営業支援は調達先を除けば、社内が主な関係者になりますが、物流はお客様に商品を届けますから、関係者の範囲が広く、処理時間の遅延は顧客の信用低下につながります。
私が、このシステムを担当した時の命題は、処理は変えずに性能を上げる事でした。
そのため、当時富士通が社外に販売しようとしていた製品のほとんどを、社内で試すことになりました。主な物は以下です。
1, エクセルバッチ(一括処理の平行化)
2, 高速ストレージ(半導体ディスク・メモリソリューション)
3, 入出量の簡素化(バーコード・OCR等)
4, 倉庫管理(自動倉庫)
期間は約1年、ハードウェアやソフトウェアの入れ替えや増設は直ぐに済みましたが、入出力や倉庫管理は、実際のオペレーターの意見を聞きながらの現場改善になりましたから、全国を回るしか方法はなく、ほとんどこれに費やしました。
時間だけでなく、当時の富士通の「工務」と呼ばれる強い権限を持つ部門が無ければできなかったかも知れません。
システムはコンピュータだけでは動かない典型的な事例でした。
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