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プロジェクト事例/総合商社3

global-edger

前回・前々回に渡り、総合商社システムの取引形態を中心とした概要やコンセプト、システム化に当たっての管理指標について触れてきました。


今回は、技術的な特徴及び体制、特に要員教育についてご紹介します。


通常のIT出身者であれば、このトピックから始めるか、このトピックのみでしょう。

技術やプロジェクト体制は重要ですが、それらは一要素であり、最も重要なのは「何のためのシステムか?」と言うことだと思います。


以下、順に解説します。


1, XROX9700

XEROX製の高速プリンターで、当時日本に2台しかありませんでした。

特徴は以下です。

 ・専用用紙ではなくPPC普通紙(A4)に印刷できる

 ・両面に印刷可能

 ・部門毎/改ページ事に色違いの用紙をはさむことが可能

 ・罫線(オーバレイ)はホストコンピューターで開発しプリンターに登録する

 ・オーバレイはポートレイト(縦)ランドスケープ(横)の2種類

 ・A4バインダーに綴じる事を前提にパンチ孔を意識して微妙に上下を調整する

 コンピューターメーカーではできない発想だと思います。


2, ADABAS

 このシステム開発では、当時の西ドイツ製のRDBMSであるADABASを採用し、評価も

 合わせて行いました。

ADABASはリレーショナルデーターベースの元祖と言われ、後のORACREやDB2は、こ の設計思想を継承したものです。

リレーショナルデータベースの解説は別途投稿しますが、富士通のネットワークデータベ ースがキーを決めてキーを指定してデータを検索するのに対し、リレーショナルデーター ベースは、登録する様々なデータの値とコンピュータ上のアドレスを表にして、値から検 索するものです。今騒がしいSAP S4/HANAはこのADABASです。

さすが商社、と思ったのは販売代理店であるソフトウェアエージー社と交渉し、評価デー 

タと引き換えにライセンスを無料提供を受けたことです。


3, 体制

 技術とは少し離れますが、このプロジェクトのコンセプトは、既存データの最大活用です が、上記2つの技術評価を日商岩井のIT関連ビジネスに活かすこともありました、後もう 一つはプロジェクト開始と同時に設立したNICSと言うシステム子会社の要員教育も兼 ねていました。大変でしたが、自分の実力は人に教えることで客観的に測ることが出来ま した。


日商岩井は、このプロジェクトで、契約管理の見直しと新規技術の評価及び自らのビジネス

への応用、出来たばかりのシステム子会社の要員教育を成し遂げたのかも知れません。


以上、駆け足でご紹介しましたが、終わってからの感想は、総合商社は抜け目がないと言う

事でした。

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