繊維業界の両雄東レと帝人について調査してみました。業界1位と2位です。いろんな事がわかりました。両社とも投資家向けにかなり詳しい数字まで公開していましたので、かなり分かりました。
先ず1位の東レですが売上は2兆円です。巨大企業と言ってよいでしょう。2位の帝人の売上は8000億円なので、ダントツであるとともに2社でマーケットのほとんどを抑えています。
もともと繊維から始まった2社ですが、ルーツである繊維事業の状況を比較すると、東レが43%で増収・増益を続けています。帝人は37.5%で売上・利益ともほぼステイです。現状維持ですね。でも大きく違うのは、東レが繊維事業が本体の1事業部であるのに対し、帝人は帝人フロンティアという別会社になっており、その生い立ちは帝人の繊維事業部と日商岩井の繊維事業本部がスピンアウトしてできた会社です。出資は帝人100%で20億円です。
テトロンやナイロンなどの世界ブランドを持っていて、営業のプロの総合商社が組んだわけですから実力はあります。2002年に創立で現在売上3000億円利益率12%ROIは5%以上ですから優良企業と言えます。比較的規模に小さい帝人の方がアグレッシブですね。
今後に研究開発については、両社とも炭素繊維・医療用特殊フィルム・半導体素材・ライフサイエンスなど今後大きく伸びる分野に集中していて、旧来の繊維に対する追加投資はありません。いつかはなくなる事業です。
今後の重点投資分野のライバルは日本製紙・旭硝子・新日鉄などのMILLと呼ばれる巨大企業群です。繊維については、新興国を中心としたアジアです。TPPが発行されれば日本の価格の1/3の価格でアジア製の繊維が日本を席捲するのは間違いありません。
調達方法の標準化と効率化によって競争力をつけると謳っていますが、標準化と効率化はSAPを導入した時点で終わっており。あとは何に対する競争力をつけるのかをきちんと定義することです。
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